3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


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雨がやんだら 


 

 雨がやんだら 歌手:朝岡雪路 作詞:なかにし礼

 歌詞はこちらで。

雨がやんだら

 1970年10月リリース。朝岡雪路のヒット曲です。

 朝岡さんというと世間知らずのお嬢様がそのまま大人になったイメージですが、さすが宝塚出身の女優さんです。歌の中から物凄いパワーを感じます。なかにし礼さんが描く男と女の悲しい別れがひしひしと伝わってきます。

 実際、リアルタイムでこの曲を聴いた記憶はないのですが、「雨」の曲というと必ず頭に浮かんできます。

 雨がやんだら お別れなのね

 二人に迫る別れのタイムリミットを、その時の情景で表した秀逸なフレーズだと思います。

 永遠に降り続く雨はない。必ずあがるもの。降っている間が夢だとしても、あがるのは現実。その先に待っている「別れ」。なんとも物悲しい情景です。

 二度と開けない南の窓に ブルーのカーテン引きましょう

 不動産の売りに「南向きの部屋」とあるように、南の窓は「明るさ」の象徴です。そしてブルーは冷たさの象徴。心の窓を閉ざして、無感情なカーテンを引いてしまうという解釈が出来ます。


 男はやがて部屋を出ていきます。誰かに逢いに行くのかどうかは定かではありません。ただわかっているのは二度とこの部屋に戻ってはこないという事なのです。

 あなたがつくったインクのしみを 花瓶をずらして隠しましょう

 女は男が居た形跡を隠そうとしています。そうでもしないと一人残された部屋は辛いのでしょう。

 濡れたコートを 濡れた体を あなたは あなたは 誰に 誰にあたためてもらうの

 雨がやんだら 私はひとり あなたのガウンをまとって眠る

 男が着ていく濡れたコートは、新しい恋人との未来、男が残していったガウンは、二人の終わった過去をそれぞれ象徴しているのでしょう。

 その過去の余韻の中で、女はひとりで涙にむせぶのです。


 情景はほとんど演歌。しかも全体に流れる重々しいサックスが、日本の「ザ・ブルース」そのものなのですが(笑)なんとなくシャンソンの香りがします。なかにしさんの言葉のチョイスと朝岡雪路さんの独特の世界のせいでしょうか。



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category: 70年代前半

thread: 歌詞 - janre: 音楽

tag: 雨がやんだら  朝岡雪路  なかにし礼  南の窓  花瓶  ガウン  コート 
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グッド・バイ・マイ・ラブ 


 

グッド・バイ・マイ・ラブ

 グッド・バイ・マイ・ラブ 歌手:アン・ルイス 作詞:なかにし礼

 歌詞はこちらで。

 1974年4月、アン・ルイスの6枚目のシングルとしてリリース。当時、アイドル路線で売り出していた彼女にとって初めてのヒット曲になりました。その後、1989年の坂上香織、2006年の福田沙紀等、多くの歌手にカバーされています。


 そのタイトル通りに男女の別れの歌なのですが、あまり悲壮感が感じられません。それには3つの理由があります。

 まず1つ目は、歌っているアン・ルイスが当時18歳(!)だった事や、そのキャラクターの勢です。物怖じしない、天真爛漫なハーフ。ちょうど今で言うところのローラのような感じでしょうか。



 そして2つ目の理由は1コーラス目の歌詞の中に。

 グッバイ・マイ・ラブ この街角で グッバイ・マイ・ラブ 歩いてゆきましょう

 あなたは右に 私は左に ふりむいたら負けよ

 彼女は彼に、昔の西部劇の決闘シーンのような、背中合わせで歩き、振り返らない別れ方を提案しています。

 決闘では決まった歩数で振り向き早く撃った方が勝ちですが、この場合は振り返らずに歩いて行った方が勝ちなのです。まるで、どちらかの心の弱さを賭けたチキンレースのようです。

 こんな粋なゲームのような別れ方を提案する彼女ですが、それは抑えきれそうにない悲しさを隠すためなのでしょう。


 グッバイ・マイ・ラブ も一度抱いて グッバイ・マイ・ラブ 私の涙を

 あなたの頬で ふいているのよ 泣きまねじゃないの

 溢れ出す涙を拭うように、彼の頬に自分の頬を押し付けます。あえて「あなたの頬で涙を拭いてる。泣きまねじゃない」と言う彼女。ゲームのような別れ方を提案したのは、強がっているだけで、こんなにも悲しさでいっぱいなのだと彼に訴えているのでしょう。

 この彼女の言動で思い出される人物がいます。ドラマ「東京ラブストーリー」で鈴木保奈美が演じた赤名リカです。こちらも自由奔放プラス恋愛をゲームのように進めつつも、実は自分を素直に出せない不器用さありました。

 そんな女の子の切ない気持ちが「別れ」という現実よりも前に出てきている事が悲壮感を感じられない2つ目の理由です。


 3つ目の理由が一番大きく、それは2コーラス目にあります。

 グッバイ・マイ・ラブ 二人の恋が グッバイ・マイ・ラブ 真実ならば

 いつかは逢える これが本当の さよならじゃないの

 この別れは本当のさよならではないと言い切っています。お互いの気持ちが真実ならば、再び運命の糸で手繰り寄せられるはず。

 では、この曲は何に対して「さよなら」を言っているのか?答えはタイトルにそのまま表示されているんですね。

 Good Bye My Love → さよなら私の恋心。

 彼女は最初から、彼にではなく、自分自身の恋心に別れを告げていたのです。それも永遠の別れではありません。また彼と出逢えたなら、恋心もきっと戻ってくるはず。

 同時に彼女が別れを告げているのは、今日までの「幼い自分」のような気がします。再び彼と出逢う時は、大人の女になっていたいという気持ちもあるのではないでしょうか。

 そんな本人の願望も見え隠れするところが、悲壮感を感じない3つ目の理由なのです。


 忘れないわ あなたの声 優しいい仕草 手のぬくもり

 忘れないわ くちづけの時 そうよあなたの あなたの名前

 もちろんあなたの あなたの名前

 幼い自分の恋心と訣別する彼女は、彼の思い出を鮮明に残そうと誓います。再び出逢う時の為に、いい思い出として残そうとしているのかもしれません。


category: 70年代前半

thread: 歌詞 - janre: 音楽

tag: グッド・バイ・マイ・ラブ  アン・ルイス  なかにし礼  真実  運命の糸 
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