3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


銀の龍の背に乗って 


 

 銀の龍の背に乗って 歌手:中島みゆき 作詞:中島みゆき

 歌詞はこちらで。

 2003年7月リリース、中島みゆき38枚目のシングル。フジテレビ系ドラマ「Dr.コトー診療所」(第1、第2シリーズ)の主題歌。

 印象的なイントロを聴くと今でもドラマのシーンが頭の中に浮かんできて涙腺がウルウルしそうになります(笑)

銀の龍の背に乗って

 歌詞に登場する主人公は、自分の未熟さ・非力さを嘆きもがいています。そんな今日までの自分と決別し、明日からは勇気を持って動いていこうという決意の歌だと解釈できます。

 夢が迎えに来てくれるまで 震えて待ってるだけだった昨日

 明日 僕はの足元へ崖を登り 呼ぶよ「さあ、行こうぜ」


 主人公は常に受身だったのですね。何かトラブルが起こっても、誰かが解決してくれるのを待つだけの存在だったのでしょう。

 歌詞に登場するは、主人公の中に眠っている「勇気」を象徴しているのではないでしょうか。に「さあ、行こうぜ」と声を掛けるのは、降りかかった問題に自ら立ち向かう為の決意の表れだと思います。


 では、主人公に決意をさせたのは一体何だったのか?それは歌詞の冒頭にあります。

 あの蒼ざめた海の彼方で 今まさに誰かが傷(いた)んでいる

 苦しんで主人公へ助けを求めている人がいたのです。人は誰かに必要とされて、自分の存在価値を見出す場合があります。主人公もきっとそれが眠っていた勇気を目覚めさせるきっかけになったのでしょう。


 急げ悲しみ 翼に変われ 急げ傷跡 羅針盤になれ

 助けを求めている人の苦しみが、主人公を飛び立たせる翼になり、方向性を決める羅針盤になったのですね。


 それでもまだまだ未熟な主人公。

 わたボコリみたいな翼でも 木の芽みたいな頼りない爪でも

 明日 僕はの足元へ崖を登り 呼ぶよ「さあ、行こうぜ」


 翼も爪も龍としての体をなしているとは言えません。それでもやると決めたらやらにゃいかん(笑)勇気を振り絞って「さあ、行こうぜ」と声を掛ける主人公なのです。


 この主人公の姿を自分に置き換えてみると、共感できる部分が多いと思います。最初から強い人間なんて存在しません。誰しも不安と戦いながら、若干の虚勢を張って生きているのではないでしょうか。

 プラス、困難に遭遇して痛みを体験するからこそ人に優しくできるのです。その人間の本質を指摘したフレーズが2コーラス目のAメロにあります。

 柔らかな皮膚しかない理由(わけ)は 人が人の痛みを聴くためだ

 柔らかな皮膚=弱い存在なのは人の苦しみ・悲しみを理解する為なのです。

 説得力がある奥深いフレーズだと思います。



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tag: 銀の龍の背に乗って  中島みゆき    勇気  非力  未熟 
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時代 


 

 時代 歌手:中島みゆき 作詞:中島みゆき

 歌詞はこちらで。

 1975年12月リリース、中島みゆき2枚目のシングル。同年10月のヤマハの「第10回ポピュラーソングコンテストつま恋本選会」、「第6回世界歌謡祭」でグランプリを受賞。

 卒業式で歌われたり、音楽の教科書に掲載される等、親しまれ、2007年に「日本の歌百選」にも選ばれています。

 つまり日本人なら誰しも知っている有名すぎる歌なのですが、あえて取り上げてみます(笑)

時代

 歌詞は数々の困難に襲われても、また立ち上がる人間の姿を綴っています。

 冒頭でいきなり絶望に打ちひしがれた人の姿が。

 今はこんなに悲しくて 涙も枯れ果てて もう二度と笑顔には なれそうもないけど

 もし同じように絶望感を味わっている人がこのフレーズを聞いたら、「今の自分の姿そのものだ」とグッと心を掴まれるのではないでしょうか。

 辛く苦しい時って笑顔になる時の気持ちどころか、笑顔のつくり方まで忘れてしまうものですよね。当然、人生の中でもう二度と笑顔になれるとは思えないものです。


 そんな時代もあったねと いつか話せる日がくるわ あんな時代もあったねと きっと笑って話せるわ

 「がんばれ!」や「笑え!」の励ましの言葉ではなく、無理をしなくてもきっと笑える日が来ると優しく諭すような言葉です。

 このフレーズを聞くと、ちょっと不適切かもしれませんが「喉元過ぎれば熱さ忘れる」という諺を思い出します。今は辛くても、通りすぎればそれも忘れる事ができるよという、プチポジティブさが感じられる癒しの言葉だと思うのです。


 だから今日はくよくよしないで 今日の風に吹かれましょう

 頑張らない、頑張らない。なるようになる。疲れた心には沁みるフレーズですよね。


 まわるまわるよ 時代は回る 喜び悲しみくり返し

 今日は別れた恋人たちも 生まれ変わってめぐり逢うよ


 この有名過ぎるサビの部分に、私はただのポジティブソングじゃない雄大さを感じるのです。

 それは落ち込んでいる人に投げかける「時代」という言葉。

 「人間は遙か昔の時代から喜びと悲しみをくり返してきた歴史がある。みんなその中で生きてきた。だからあなただけじゃないんだよ。」と時空を越えた壮大さを引き合いに出し、今の悩みの小ささを際立たせているのだと思います。


 2コーラス目は夢破れて落ち込んだ人へのエールにとれます。

 旅を続ける人々は いつか故郷に出逢う日を たとえ今夜は倒れても きっと信じてドアを出る

 目的がある旅人は、一度や二度の挫折でへこたれたりしないものだよ。1コーラス目と違い、ここでは「頑張れ!」の言葉が見えてきます。

 たとえ今日は果てしもなく 冷たい雨が降っていても

 障害があっても何するものぞ!信じた夢があるなら「頑張れ!」と励ましてくれています。


 めぐるめぐるよ時代は巡る 別れと出逢いをくり返し

 今日は倒れた旅人たちも 生まれ変わって歩き出すよ


 そしてここでも「時代」という壮大さを引き合いに出して、「先人たちもみんな頑張ってきたから、あんたも頑張りなさい!」と言われている気になります。


 明治維新、太平洋戦争、高度経済成長、バブル崩壊、東日本大震災等々、日本人は打たれて、夢破れて、落ち込んで、それでも立ち上がってをくり返してきたのです。

 先人たちはみんな辛さを乗り越えて来た。頑張って来た。だから現代人も必ず出来る筈というのを教えてくれる歌なのだと思います。

 まさしく「日本の歌百選」にふさわしい名曲ですよね。



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