3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


SOMEDAY 


 

 SOMEDAY 歌手:佐野元春 作詞:佐野元春

 歌詞はこちらで。

 1981年リリース、佐野元春3枚目のシングル。発売当初はそれ程ヒットしませんでしたが、翌年8月にこの曲が収録された同名タイトルのアルバムが発表されヒット。CMやテレビ番組の挿入歌、白井貴子や山下久美子等の多くのシンガーにもカバーされ、初期の佐野元春の代表的なナンバーになっています。

 あまりにもメジャーな曲であるが故に、ついつい聴き流してしまう事が多く、歌詞の意味にも深く注目する事がありませんでした。しかし意識して聴くとやはり、佐野元春らしい心地良さの中にしっかりとしたメッセージが込められたいい曲だなと思います。

SOMEDAY

 SOMEDAYは「いつの日か」という意味で、不特定な未来を表す言葉だそうです。「SOMEDAY,SOMEDAY」と繰り返す事で、「いつの日かきっと」という希望を込めた意味で使うという事を何かで呼んだ記憶があります。


 歌詞の構成として、各コーラスのAメロは、曲の主人公が過去を振り返るところから始まります。ここでキーワードになるのが『あの頃』。例えばこれが「19の頃」「二十歳の頃」というはっきりした年代を示すと、作者の私的な記憶を辿るように感じてしまいます。いつ何時ではなくあくまでも『あの頃』。これで聴く側それぞれが持つ記憶に当てはめられ、感情移入できるのではないでしょうか。

 まずは1コーラス目

街の唄が聴こえてきて 真夜中に恋を抱きしめた あの頃

踊り続けていた 夜のフラッシュライト浴びながら 時の流れも感じないまま

 時の流れも感じないほどに、無我夢中で突っ走っていた日々。そして2コーラス目。

「手おくれ」と言われても 口笛で答えていた あの頃

誰にも従わず 傷の手当てもせず ただ 時の流れに身をゆだねて

 第三者からの進言にも耳を貸さなかった姿勢が伺えます。しかしそれは怖いものしらずだったわけではなく、現実から目を背けていたのだと分かるのが「時の流れに身をゆだねて」というフレーズです。時間が経てばなんとかなるだろう的な考えだったのでしょう。

 若いうちからしっかりした人生設計をしている人間を除き、多くの人は多かれ少なかれ同じような体験をしていると思います。目の前の事に精一杯。何かトラブルが起きても勢いで回避。若さで何とかなってきた事も、年を取ると共に現実が分かり、重くのしかかってくるのです。それを謳っているのが1コーラスのBメロ部分です。

窓辺にもたれ 夢のひとつひとつを 消してゆくのは つらいけど

若すぎて何だか解らなかったことが リアルに感じてしまうこの頃さ

 10代の頃は、この部分はサラッと聴き流していたんですけど、今、改めて噛み締めると切ないフレーズですよね。確かにみんな若い頃は色々と夢を持っているんです。よくよく考えるとそれらの夢は、年とともに消えるのではなく、自分自身で可能性を見失って消していってるんですよね。

 正直「年はとりなくない!」って気持ちが先行してしまいますが、そんなに悪いことばかりじゃないよと佐野元春は教えてくれています。それが2コーラス目のBメロとくりかえしのBメロです。

いつかは誰でも 愛の謎が解けて ひとりきりじゃいられなくなる

オー・ダーリン こんな気持ちに揺れてしまうのは のせいかもしれないんだぜ

ステキなことはステキだと無邪気に 笑える心が好きさ

 年をとって分かってくる事・・・現実の辛さばかりじゃないのです。人を愛する気持ち、人を思いやる気持ちだって分かってくるのです。そこで素直にステキな事をステキだと笑える無邪気な心を持ち続けられたら、最高じゃないですか!私の一番好きなフレーズです。

 そしてサビのSOMEDAY(いつの日か)の繰り返しに繋がっていきます。
 

SOMEDAY この胸に SOMEDAY ちかうよ SOMEDAY 信じる心いつまでも

 「この胸に信じる心を誓う」・・・果たしてこれは誰に向けて言っているのでしょう。恐らく歌詞の中に出てくる「」に対してです。この「」は愛の謎の解き方を教えてくれた「」であり、Happiness & Rest(幸せと安らぎ)を約束をしてくれた「」。主人公にとって大切な存在=恋人という捉え方もできます。

 しかし私は「」は「あの頃」から今へ続く自分自身の事ではないかと思うのです。昔を振り返り、がむしゃらに突っ走っていた「君」、いつも強気で口笛を吹いていた「君」、夢を一つづつ消して悲しい思いをした「君」、愛の謎について理解できた「君」、ステキな事をステキだと言える「君」。

 そんな自分に「諦めずに生きていこうぜ」と投げかけている歌詞だと思うのです。色んな状況の人に当てはまる究極の応援ソングじゃないでしょうか。


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tag: 佐野元春  SOMEDAY  あの頃   
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WILD HEARTS -冒険者たち- 


 


 WILD HEARTS -冒険者たち- 歌手:佐野元春 作詞:佐野元春

 歌詞はこちらで

 1986年9月リリース、佐野元春23枚目のシングル。5枚目のオリジナルアルバム「Café Bohemia」に収録。

 以前、Happy Manの項でも書いたように、80年代初頭、佐野元春の登場はセンセーショナルでした。

 これまでの日本人にはなかったビート感、テンポよく言葉をリズムに乗せるセンス等々。当時のボーイズ&ガールズにロックの楽しさを教えてくれたアーチストだと思います。

 その彼が83年、突如としてNYへ渡り、1年後に「VISITORS」というアルバムを引っさげて帰国。当時日本には知られていなかった、ヒップホップやラップを取り入れたもので、あまりに前衛的すぎて賛否両論。ボーイズ&ガールズも大いに戸惑ったのです(笑)

 私個人も正直、「元春が遠いところへ行っちゃったなぁ~」と寂しく感じていました。更にそれから2年、非常にシンプルでバンド色が強いこの曲を発表。

 たとえ「UKに傾きすぎ」とか「ス○○ル・カ○ン○ルのパクリ」と評されようが、私は「元春サウンドの心地良さが戻ってきた」と嬉しかったのを覚えています。

WILD HEARTS

 曲の主人公は、当時の佐野元春の年齢を投影させるなら30代前半。社会にでて十数年。ようやく仕事も覚えて人生が軌道に乗ってきた頃でしょうか。その反面、迷いも生じる頃ではないかと思います。

 土曜の午後 仕事で車を走らせていた ラジオに流れる R&B 昔よく口ずさんだメロディー

 日常生活の中で突然耳に飛び込んでくる音楽。懐かしいサウンドに、頭の隅のほうにあった記憶が一気に甦ってくる。これって良くありますよね。

 昔、過ごした場所の風景、交友関係等を思い出す事があります。

 恐らく、この曲の主人公も当時の仲間たちの事が一気に甦り、彼らが現状どのような思いで生きているのかを感じようとしているのでしょう。

 恋人に想いを伝えきれないまま離れてしまった友達。言葉足らずでキスを重ねるごとに憂鬱な気持ちになる女性等々。


 誰かがどこかで眠れぬ夜明けを見つめている 誰もが心に見知らぬ夜明けを抱えてる

 みんな悩みを抱えながら、心の中にいつか夜明けが来るものだと信じて生きているのですね。


 そして主人公は、仲間達の事だけではなく、当時の自分の気持ちも思い出したのです。

 2コーラス目とくりかえしサビを繋ぐブリッジ部分のフレーズ。

 すべての「なぜ?」に いつでも答えを求めてたあの頃

 いつか自由になれる日を あてもなく夢みていた


 若干、人生に迷いが出ていた主人公。当時のこの気持ちを再び原動力にして次のステップへ進もうとしているのかもしれません。


 街の声が聞こえる にぎやかに奏でる“Summertime blues”

 荷物をひとつにまとめて 明日ここを離れてゆく


 このフレーズは新たなスタートを切る決心がついたと解釈できないでしょうか。

 まだまだ彼は「すべてのなぜ?」に答えを求めて旅立つ「冒険者たち」なのでしょうね。



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