3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


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リフレインが叫んでる 


 

 リフレインが叫んでる 歌手:松任谷由実 作詞:松任谷由実

 歌詞こちらで。

 1988年11月リリース、松任谷由実20枚目のオリジナルアルバム「Delight Slight Light KISS」の収録曲。シングルカットはされていませんが、車のCMソング起用され有線チャートで1位を獲得しています。又、ドラマの主題歌に起用されたり、この曲自体をモチーフにしたドラマも作られています。

 ピアノがリズムを刻むイントロや冒頭の歌詞の印象が強くユーミンファンではない人にも認知度の高い曲だと思います。

リフレインが叫んでる


どうして どうして僕たちは 出逢ってしまったのだろう こわれるほど抱きしめた


 曲の最初に持ってこられているサビの部分です。このパートのインパクトが強い為、一見男目線の歌かと思われがちですが、歌詞の主人公は女性で、恋人との別れをまだ受け入れられずにいるのだと解釈できます。

 それが分かるのが1番の歌詞です。

ひき返してみるわ ひとつ前のカーブまで いつか海に降りた あの駐車場にあなたがいたようで

岬の灯 冴えはじめる 同じ場所に立つけれど 潮風 肩を抱くだけ

 Aメロ部と繰り返しのサビの部分。もう今はいない恋人の面影を辿るように、思い出の場所をさまよっている姿が描かれています。青白い顔をして虚ろな瞳の彼女の風貌が伝わってきます。

 そして彼女に決定的な現実を突きつけたのが2番のAメロ部。

すりきれたカセットを久しぶりにかけてみる 昔気づかなかった リフレインが悲しげに叫んでる

 流れてきた曲の中でリフレインされているのが、冒頭の「どうして どうして僕たちは・・・」ではないのでしょうか。あれはすりきれたカセットテープから聴こえてくる曲のフレーズなのです。

 彼と付き合っている時にBGMとして擦り切れる程、聞き流していた曲のフレーズ。でも今の彼女にはそれがグサリと胸に刺さってきたのでしょう。

 それに呼応するように彼女の心の中から出てきた叫びが、

どうして どうして私達 離れてしまったのだろう あんなに愛していたのに

どうして どうしてできるだけ やさしくしなかったのだろう 二度と会えなくなるなら

 これらの他のサビの部分だと思います。

 曲の最後には、カセットテープから聴こえてきたフレーズと彼女の心の叫びが延々とリフレインされます。きっと彼女自身が気持ちに整理をつけるまで繰り返されるのでしょうね。



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category: 80年代後半

thread: 歌詞 - janre: 音楽

tag: リフレインが叫んでる  松任谷由実  リフレイン  フレーズ  歌詞 
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制服 


 

 制服 歌手:松田聖子 作詞:松本隆

 歌詞はこちらで。

 1980年1月リリース、松田聖子8枚目のシングル「赤いスイートピー」のB面。A面と同じく作詞:松本隆、作曲:呉田軽穂(松任谷由実)の最強コンビの作品です。

 80年代前半の松田聖子はB面やアルバム収録曲にも人気の高いものが多く、この曲はその代表的なものだと思います。

制服

 卒業式を舞台にした「淡い恋心からの卒業」を綴った歌詞だと解釈できます。松本隆氏は斉藤由貴のデビューシングル「卒業」でも似たようなシチュエーションを描いています。

 共に同級生の男子に素直に気持ちを伝えられない女子が主人公ですが、「卒業」のほうは相手の男子と同じ歩幅で3年間歩んできたのに対し、「制服」は一歩後ろから背中をずっと追いかけてきた感じがします。フランクに男子と話す事ができた前者。もじもじして話しかけられるのを待っていた後者。クラスには必ずいる控えめで目立たない女子の典型ですね(笑)

 二人の関係性が想像できるフレーズがいくつかあります。

 卒業証書抱いた傘の波にまぎれながら 自然にあなたの横 並ぶように歩いてたの (1番のAメロ)

 テスト前にノートを 貸してくれと言われて 抜けがけだとみんなに責められた日もあるわ (2番のサビ)

 彼女は積極的に彼に寄り添って歩けません。傘の波に紛れて自然にと横並びになるしかなかったのでしょう。何故なら彼から「ノートを貸して」と言われただけで、周りから嫉妬されるような複数の女子の憧れの対象だったのです。


 彼と並んで歩く雨の中、気持ちを告白しようかと葛藤します。波のように気持ちが盛り上がるのを自分で諌めてしまう彼女。

 このままでいいの ただのクラスメイトだから

 このフレーズに彼女の自信の無さが凝縮されていると思います。

 「憧れの対象だった彼と目立たなかった自分では釣り合いが取れないじゃないだろうか」「四月から離れ離れになり、遠距離でやっていけるのだろうか」等々。これらの思いが彼女を金縛り状態にさせたのでしょう。


 そして彼女は、告白するのは止めようと決意したのです。それが分かるのが繰り返しサビ前のブリッジ部です。

 桜が枝に咲く頃は 違う世界でひとりぼっちひとりぼっち 生きてる

 「ひとりぼっち」という言葉は腹を括った彼女の気持ちの表れだと思います。お互い違う世界で、これまでの思い出を封印してスタートを切ろうと決めたのでしょう。


 ところが!彼は彼女が予想しなかった行動に出ました。東京の連絡先を書いたメモを彼女に渡したのです。恐らく渡したあと走りさったであろう彼。雨の中残された彼女。

 雨に濡れたメモには 東京での住所が… 握りしめて泣いたの

 彼も彼女の事を想っていたんですね。彼女の涙は単純に喜びの涙かと思いきや・・・もっと複雑なものみたいです。

 そうこのままでいいの ただのクラスメイトだけで

 自分に言い聞かせているフレーズに聞こえます。彼女はこれまで以上の関係になる事を避けました。恋愛に対する自信の無さから一歩前に踏み出せなかったのでしょう。


 本当なら彼との両想いが念願だったはずなのに、彼女の自分の気持ちに素直になれないところは、今で言う「こじらせ女子」だと思います。

 ただその「こじらせ方」が、ただの卒業ソングで終わらない切なく甘酸っぱいドラマを演出しているのでしょうね。



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