3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


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  歌手:サザンオールスターズ 作詞:桑田佳祐

 歌詞はこちらで。

 1984年7月リリース、サザンオールスターズ7枚目のオリジナルアルバム「人気者で行こう」の収録曲。元々は桑田氏がジューシーフルーツに提供した曲をカバーしたものです。1990年には芳本美代子もカバーしています。

 女性ボーカルのジューシーフルーツに提供した為か、曲の内容も女性目線です。夏の辺で恋に落ちた思い出を懐かしむ女性の姿が描かれていると解釈できます。

海

 主人公の女性の気持ちを一番表しているフレーズがAメロとBメロに出てくる「ほんのチョットだけで」というフレーズだと思います。

 そのほんのチョットとはそれぞれ一体何なのか?

 Aメロでは“移り気なアナタに 抱かれてしびれた”という行為。移り気=恋多きプレイボーイという意味なのでしょう。遊び人な男が何気なく抱き寄せる行為。

 更にBメロでは辺へ通う道 真夏の出来事”という、何の変哲もないような風景が切り取られています。

 これらから想像できるのは、真夏の辺への道を並んで歩く男女。二人の関係はただの友達。遊び人の男が、いつものクセで女の体を抱き寄せた。しかしそれは彼女にとってはかなり大きな出来事だったのです。

 結局、二人は恋に落ち、ひと夏の思い出を作ったのでしょう。しかし彼女の中にはひっかかるものがあったのではないでしょうか。それらが分かるフレーズがBメロの後半、

心変わりがするなんて 他の誰かを愛してる

 それと繰り返しサビにある

渚に埋めた涙には 秘密の思い出が

 こちらの2つだと思います。

 “心変わり”“秘密の思い出”・・・彼女には他に恋人がいた、もしくは結婚していたのではないでしょうか。背徳感を抱えたまま男と過ごした夏。彼女の中で懐かしむ気持ちと封印したい気持ちが複雑に絡み合っているのが想像できます。


 この曲がリリースされた80年代、毎年夏になると、カーステレオからサザンの曲をかけながらへドライブが日本中の若者の定番でした。「夏」や「海」をテーマにした曲がたくさんある中で何故この曲にそのものズバリ「海」というタイトルが付けられているのでしょうか。

 例えば歌詞に出てくる「渚に埋めた涙」「秘密の想い出」というタイトルにすればしっくりくると個人的に思っていました。でもそれだと直球過ぎてセンスのかけらもありませんね。

 海は季節や天候に合わせて、その色を変えます。夏の海は青く、冬の海は黒く、風がなければ穏やかな波、台風がくれば荒ぶる危険な顔も見せます。

 恋人がいる、もしくは結婚している女性がほんのチョットの出来事で恋に落ちてしまう気持ちを、変わりやすい海に例えたのかもしれません。



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category: 80年代前半

thread: 歌詞 - janre: 音楽

tag:   サザンオールスターズ  桑田佳祐 
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真夜中のダンディー 


 

 真夜中のダンディー 歌手:桑田佳祐 作詞:桑田佳祐

 歌詞はこちらで。

 1993年10月リリース、桑田佳祐ソロ3枚目のシングル。桑田氏本人が出演したキリン缶コーヒー『JIVE』のCMソングに起用されました。

 この時、桑田氏は37歳。世で言うところの「働き盛り」である同年代の男の心情を代弁したような曲です。

真夜中のダンディー


 歌詞に登場する男は中年にさしかかり、遠い過去、最近の過去と順に振り返りながら、今置かれている現実をちょっと投げやりになりながらも見据えているような気がします。


 暗い女の部屋でマヌケな肌をさらし おぼえ始めの味でうなじを真っ赤に染めて

 中途半端な義理で親父のために学び 他人(ひと)の顔色だけを窺い拍手をあびて

 1コーラスのAメロは童貞喪失時の自分。Bメロは親の期待の中で世間の事を学んでいった自分なのでしょうか。

 世慣れたウソもつけない頃は 色気の中で我を忘れてた

 泣かない事を誓った日々は 無邪気に笑う事も忘れてた

 色気に溺れた頃は世の中が分からず、知恵が付けば本当の自分が分からなくなる。中国の論語を想像させるフレーズです。

 そして2コーラス目から今の自分が置かれている現実にスポットを当てています。

 友は政治と酒におぼれて声を枯らし 俺はしがらみ抱いてあこぎな搾取の中に

 生まれたことを口惜(くや)んだ時にゃ 背広の中に金銭(かね)があふれてた


 政治・酒・しがらみ・搾取そして金銭(かね)。汚れた大人の世界のオンパレードです(笑)

 しかしこれ無しでは生きて行けないも現実。悲しいかな、世を動かすのは利権がらみの人脈なのです。


 更に、3コーラス目では自分達のひとつ上の世代への皮肉とも思えるフレーズが。

 愛と平和を歌う世代がくれたものは 身を守るのと知らぬそぶりと悪魔の魂

 隣の空は灰色なのに 幸せならば顔をそむける


 愛と平和を歌う世代とはウッドストック前後をリアルで体験した世代。そして反戦・ピースのメッセージも受け取る側の中で微妙に誤解され「事なかれ主義」の人間ばかりになったという皮肉なのでしょうか。

 この辺りについては、震災後に注目された「絆」という言葉で、反省した人も多いと思います。


 降り注ぐ太陽が 嗚呼 影を呼ぶ

 愛しさを知るほどに 嗚呼 老いていゆく


 太陽が登れば影ができる。人の気持ちが分かれば老いてゆく。相反する2つの事柄。人間が生きていく上で「Win Win」にはなかなかいかないものですね。

 それでも暮らしは続いていく。頑張れ!中年よ(笑)



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