3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


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無言劇 


 

 無言劇 歌手:THE ALFEE 作詞:高見沢俊彦

 歌詞はこちらで。

 1980年3月リリース、THE ALFEE(当時はAlfee)7枚目のシングル。テレビ東京系ドラマ「あいつと俺」の主題歌。THE ALFEEがメリーアンでメジャーバンドになる前の曲ですが、NHKFMの地方リクエスト番組でコアなファンの組織票により数カ所1位を獲得したという伝説があるそうです。

 ちなみに私もそのパターンで耳にしました。THE ALFEE研ナオコのバックでテレビに出ていた事から、あのバックバンドの曲なんだなぁと思った記憶があります。

無言劇

 数年前、吉田拓郎と坂崎幸之助のラジオ番組のTHE ALFEEの歴史を振り返るというコーナーでこの無言劇も紹介されました。そこで坂崎氏はドラマの主題歌に起用されたが、低視聴率で3回で打ち切られた事から「THE ALFEEの悲劇はこの曲から始まった」と自虐的に話していました。(ドラマに出演していた俳優の薬物関係の不祥事で打ち切りになったという説もあり)ちなみに吉田拓郎氏も「無言劇」というタイトルからして売れないとダメ出ししてました(笑)

 恋人の裏切りに会った男の悲しい姿を描いた歌詞、それに上記した背景も手伝って、全体に悲壮感が漂う感じがします。


馬鹿らしい道化役が 似合いさとつぶやいて

二人のため息を背中に ドアを思いきり閉める

402 あいつの部屋に まさかお前が来てたなんて

うしろめたさとまどう視線 ひきつった作り笑い


 冒頭から鉢合わせのシーンです。主人公がもう一人の男性を「あいつ」と呼ぶところから二人は顔見知りなのでしょう。自分が付き合っているはずだった女性が、知り合いの男性の部屋にいた。そして「ひきつった作り笑い」をしなければいけない程の空気感。女性はだた部屋にいたのではなく、ベッドに寝ている等の決定的な浮気場面だったのではないでしょうか。

 そして主人公が部屋を出る背中に感じた二人のため息は「バレてしまったどうしよう」といううろたえではなく、「ついにこの日が来てしまったか」という開き直りに感じます。二人はいつかこうなる事を予想して腹をくくっていたのだと思います。

 つまり女性ともうひとりの男性との関係は浮気ではなく本命。主人公とも関係こそが浮気だったのかもしれません。

 しかも2番の歌詞のAメロに登場する白いハネムーンのポスター。主人公が女性との結婚までを考えていた事を示しています。それなのに自分だけが気づいていなかった。きっと主人公は自分の愚かさを責めているのでしょう。だから今の状況をだたの悲劇ではなく三文芝居だと卑下しているのではないでしょうか。

 辛い現実を一気に突きつけられた主人公。あまりのショックで言葉も見つからない。人間、本当に悲しい時は何も言えなくなるといいます。だからこその泣き言無用、台詞無用の無言劇なのでしょう。


 久しぶりに聴いてみると、本当にいい曲です。「THE ALFEEの悲劇はこの曲から始まった」という宿命を背負わせるのは可哀想な気がします(笑)



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category: 80年代前半

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tag: 無言劇  THE  ALFEE  高見沢俊彦 
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星空のディスタンス 


 

 星空のディスタンス 歌手:THE ALFEE 作詞:高見沢俊彦 高橋研

 歌詞はこちらで。

 1984年1月リリース。THE ALFEE17枚目のシングル。ドラマ「無邪気な関係」の主題歌。激しいサウンドが印象的なナンバーです。

星空のディスタンス

 THE ALFEEは70年代後半~80年代前半にかけて、下積みが長いバンドでした。以前取り上げた研ナオコの「窓ガラス」でバックバンドをしていた事も。

 私の勝手な予想ですが、己がやりたい事と主旨が違う仕事も多くしてきたのではないでしょうか。それが前作「メリーアン」のヒットで発言権・決定権を得た。これまで鬱積していた欲求を一気に爆発させ(特に高見沢氏)自分達のやりたかったサウンドにしたのがこの曲でしょう。

 メロディアスな曲調ですが、アレンジは完全にハードロックです。ディストーションバリバリのギターとツインドラムを当時のバンドはこぞってコピーしました。その流れがキリン「のどこし生」で元バンド少女が彼らとこの曲で競演し、夢を叶えるというCMに繋がったと思います。


 歌詞の内容は遠く離れた恋人に対する想いを綴ったものです。

 キーワードは500マイル。キロ数に直すと約800㎞。東京からだと西は広島、北は函館位でしょうか。

 インディ500という自動車耐久レースがあるように、一般的に一日に車で移動する限界の距離と言われています。簡単には移動できない距離の例えですね。ピーター・ポール&マリー(P.P.M)の「500マイル」という曲へのオマージュという説もあります。


 激しい風が今 心に舞う 「サヨナラ」はただ一度の過ちなのか

 「サヨナラ」という言葉の意味するもの。二人はただの遠距離恋愛ではなく、今は別れている状態なのかもしれません。「サヨナラ」を告げたのは恐らく男のほうでしょう。自分で過ちだったと後悔しています。


 星空の下のディスタンス 燃え上がれ!愛のレジスタンス

 さえぎる夜を乗り越えて この胸にもう一度…… Baby,Come Back!

 サビの部分でディスタンス(距離)と韻を踏んでいるレジスタンス(障害)。二人の間を遮るものは距離だけではないのです。つい別れを告げてしまった男の過ち=心の闇=さえぎる夜なのでしょう。


 Five Hundred Miles 君に遠すぎて 会えないつらさ

 耳をかすめるのは 君の声か 泣いている 叫んでいる 想いはつのる

 男の心に重くのしかかる500マイルの距離感。同時に、彼女の声が耳の奥に響いてきて、会いたい気持ちは頂点に達します。


 激しく吹く風に向かい あの街へ駆け抜けろ! 急げこの愛…… Baby,Come Back!

 ディスタンスとレジスタンスを乗り越えるべく、男は彼女の元へ出発したのでした。

 ドラマとしては飛行機・新幹線ではなく、星空の下、車を飛ばしていってほしいです。急げこの愛!



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