3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


雨のハイウェイ 


 

 雨のハイウェイ 歌手:原田真二&クライシス 作詞:松本隆


 歌詞はこちらで。

 1983年5月リリース、原田真二14枚目のシングル。矢沢永吉のナンバーに同名タイトルがありますが、個人的にはこちらの曲の方が好きです。

雨のハイウェイ

  以前、『てぃーんずぶるーす』の記事でも書きましたが、原田真二は吉田拓郎、鈴木茂、松本隆という70年代を彩ったミュージシャン達が80年代への橋渡しとして送り出したアーティストではないかと思います。


 現に、原田真二はそれまではアイドルと演歌ばかりだった歌番組に積極的に出演し、ロック系のアーティストの居場所を作りました。『ロック御三家』と言われたChar、ツイストらとの活躍が、サザンオールスターズへと続き、ライブ活動が中心だった甲斐バンドや柳ジョージ、更にオフコースやチューリップらもお茶の間に引っ張り出したのではないかと。


 大げさに言えば『ニューミュージック』というジャンルを確立させるキッカケを作った存在のような気がします。しかし時代が早すぎたのでしょうか。もっと評価されていいアーティストではないでしょうか。



 話がそれましたが、この曲は原田真二のトリプルデビュー曲以来の松本隆作品。当時ブームだったシンセサイザーを駆使したアレンジの中に、琴の音を彷彿させるような和のテイストが織り込められたナンバーです。


 遠く離れた恋人の様子が気にかかり、夜中に車を飛ばして駆けつけようとしてる男の心情を綴った歌詞になっています。


 『雨のハイウェイ』のタイトル通りにどしゃぶりの高速道路。しかも真夜中。運転席に座る彼はかなり視野が狭い事でしょう。


倖せと不倖せは 二車線の道なのさ 時だけがぼくの中を 矢のように追い越すよ


 1コーラス目のBメロです。目の前に続く二車線が彼の目には幸せ・不幸せという人生の二つの道に見えるのでしょう。ハンドルの切り方(自分の意志)ひとつで、コースは変更できます。どちらに進むか迷う間に追い越していく後続車。これが彼には『時』という待ってくれない存在に感じられたのかもしれませんね。



トラックの水煙りが ガラスを叩いても アクセルはゆるめないよ 笑顔にふれるまでは


  2コーラス目のAメロです。隣の車線から飛んでくるトラックの水煙り。視界を遮るやっかいな存在です。今の二人は遠距離恋愛だと思われます。サビの部分には二人で暮らしてた町に夜が明けるというフレーズがある事から、過去には一緒に住んでいたのに、何らかの障害があって今は離れ離れになっているのでしょう。その障害をトラックの水煙りに喩えているのではないでしょうか。今の彼には、それらを退ける強い心が感じられます。


 閉鎖された運転席と、目に映るわずかばかりの風景。そのシチュエーションをフルに使って、彼と彼女が置かれた状況を描く様は見事としか言いようがありません。正に松本隆マジックです。


 もし君を失うなら生きる価値さえない と繰り返す彼。果たして彼女の元へ辿り着いて、無事に夜明けを迎える事ができたのでしょうか。




雨のHigh Way /原田真二 投稿者 fight1960


 

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SOMEDAY 


 

 SOMEDAY 歌手:佐野元春 作詞:佐野元春

 歌詞はこちらで。

 1981年リリース、佐野元春3枚目のシングル。発売当初はそれ程ヒットしませんでしたが、翌年8月にこの曲が収録された同名タイトルのアルバムが発表されヒット。CMやテレビ番組の挿入歌、白井貴子や山下久美子等の多くのシンガーにもカバーされ、初期の佐野元春の代表的なナンバーになっています。

 あまりにもメジャーな曲であるが故に、ついつい聴き流してしまう事が多く、歌詞の意味にも深く注目する事がありませんでした。しかし意識して聴くとやはり、佐野元春らしい心地良さの中にしっかりとしたメッセージが込められたいい曲だなと思います。

SOMEDAY

 SOMEDAYは「いつの日か」という意味で、不特定な未来を表す言葉だそうです。「SOMEDAY,SOMEDAY」と繰り返す事で、「いつの日かきっと」という希望を込めた意味で使うという事を何かで呼んだ記憶があります。


 歌詞の構成として、各コーラスのAメロは、曲の主人公が過去を振り返るところから始まります。ここでキーワードになるのが『あの頃』。例えばこれが「19の頃」「二十歳の頃」というはっきりした年代を示すと、作者の私的な記憶を辿るように感じてしまいます。いつ何時ではなくあくまでも『あの頃』。これで聴く側それぞれが持つ記憶に当てはめられ、感情移入できるのではないでしょうか。

 まずは1コーラス目

街の唄が聴こえてきて 真夜中に恋を抱きしめた あの頃

踊り続けていた 夜のフラッシュライト浴びながら 時の流れも感じないまま

 時の流れも感じないほどに、無我夢中で突っ走っていた日々。そして2コーラス目。

「手おくれ」と言われても 口笛で答えていた あの頃

誰にも従わず 傷の手当てもせず ただ 時の流れに身をゆだねて

 第三者からの進言にも耳を貸さなかった姿勢が伺えます。しかしそれは怖いものしらずだったわけではなく、現実から目を背けていたのだと分かるのが「時の流れに身をゆだねて」というフレーズです。時間が経てばなんとかなるだろう的な考えだったのでしょう。

 若いうちからしっかりした人生設計をしている人間を除き、多くの人は多かれ少なかれ同じような体験をしていると思います。目の前の事に精一杯。何かトラブルが起きても勢いで回避。若さで何とかなってきた事も、年を取ると共に現実が分かり、重くのしかかってくるのです。それを謳っているのが1コーラスのBメロ部分です。

窓辺にもたれ 夢のひとつひとつを 消してゆくのは つらいけど

若すぎて何だか解らなかったことが リアルに感じてしまうこの頃さ

 10代の頃は、この部分はサラッと聴き流していたんですけど、今、改めて噛み締めると切ないフレーズですよね。確かにみんな若い頃は色々と夢を持っているんです。よくよく考えるとそれらの夢は、年とともに消えるのではなく、自分自身で可能性を見失って消していってるんですよね。

 正直「年はとりなくない!」って気持ちが先行してしまいますが、そんなに悪いことばかりじゃないよと佐野元春は教えてくれています。それが2コーラス目のBメロとくりかえしのBメロです。

いつかは誰でも 愛の謎が解けて ひとりきりじゃいられなくなる

オー・ダーリン こんな気持ちに揺れてしまうのは のせいかもしれないんだぜ

ステキなことはステキだと無邪気に 笑える心が好きさ

 年をとって分かってくる事・・・現実の辛さばかりじゃないのです。人を愛する気持ち、人を思いやる気持ちだって分かってくるのです。そこで素直にステキな事をステキだと笑える無邪気な心を持ち続けられたら、最高じゃないですか!私の一番好きなフレーズです。

 そしてサビのSOMEDAY(いつの日か)の繰り返しに繋がっていきます。
 

SOMEDAY この胸に SOMEDAY ちかうよ SOMEDAY 信じる心いつまでも

 「この胸に信じる心を誓う」・・・果たしてこれは誰に向けて言っているのでしょう。恐らく歌詞の中に出てくる「」に対してです。この「」は愛の謎の解き方を教えてくれた「」であり、Happiness & Rest(幸せと安らぎ)を約束をしてくれた「」。主人公にとって大切な存在=恋人という捉え方もできます。

 しかし私は「」は「あの頃」から今へ続く自分自身の事ではないかと思うのです。昔を振り返り、がむしゃらに突っ走っていた「君」、いつも強気で口笛を吹いていた「君」、夢を一つづつ消して悲しい思いをした「君」、愛の謎について理解できた「君」、ステキな事をステキだと言える「君」。

 そんな自分に「諦めずに生きていこうぜ」と投げかけている歌詞だと思うのです。色んな状況の人に当てはまる究極の応援ソングじゃないでしょうか。


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