3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


アンダルシアに憧れて 


 

 アンダルシアに憧れて 歌手:真島昌利 作詞:真島昌利

 歌詞はこちらで。

 1989年10月リリース、THE BLUE HEARTSのギタリスト真島昌利のソロデビューシングル。元々は彼が以前に結成していたTHE BREAKERSの楽曲。

 翌月に近藤真彦がカバーシングルとしてリリース。2曲同時にヒットチャートランクインしていた記憶があります。

アンダルシアに憧れて

 絶命しかけた男の頭の中によぎる、恋人への想いを歌った曲です。

 各コーラスのサビが現在の男の心境。Aメロ、Bメロがそこに至るまでの道のりを時系列で綴っています。映画のシナリオのような歌詞の構成です。

 この曲に関しては舞台設定や人間関係に裏読みするようなものが見当たらず(笑)そのままの解釈でズバリな気がする為、主人公の心理について分析したいと思います。


 タイトルにある「アンダルシア」はスペインの南部にある州で、太陽が降り注ぐ暖かな気候と古くからの歴史・文化が存在する観光地だそうです。


 アンダルシアに憧れて バラをくわえて踊ってる

 地下の酒場のカルメンと 今夜メトロでランデブー


 酒場の踊り子と主人公のマフィアの男。踊り子が憧れるのは夢のリゾート地アンダルシア。ランデブーという表現が二人が出かけるのはただの旅行ではないという事を示唆しています。

 カルメンと待ち合わせる場所に出かける直前、所属マフィアのボスから男へ連絡が入ります。抗争相手と決着を付けなければならなくなったと。そこで男が取り出したコルト(拳銃)に彼の決意が見えるのです。

 コルトはオレのパスポート 黒くてかたいパスポート

 スタッガーリーの頭に こいつをぶち込んでやるさ


 コルトは何のためのパスポートなのか?闇の世界から表の世界へ移る為のパスポートなんじゃないでしょうか。

 抗争相手を殺す事で、自らのマフィア生活にピリオドを打ち、カルメンと新しい人生をスタートさせようと考えているのだと思います。

 やはり、アンダルシアへの出発はただの旅行ではなく、今の暮らしからの逃避行の意味があったのですね。

 そして騙し討ちに合い、マシンガンで打ち抜かれる男。

 激しい痛みが体を電光石火につらぬき はみだし者の赤い血が空っぽの世界を染める

 自らを「はみだし者」と卑下するところに、男の後ろめたさを感じます。世間に背を向け裏社会で生きてきた後ろめたさ。愛する女(カルメン)にそんな思いをさせないように足を洗う決意をしたのでしょうね。


 誰か彼女に伝えてくれよ ホームのはじで待ってるはずさ

 ちょっと遅れるかもしれないけれど 必ず行くからそこで待ってろよ


 意識が薄れていく中での心の叫びです。自分と新たな人生を歩む為に待っているカルメン。切ないですね。


 個人的にマーシーのしゃがれた声とギターサウンドが、主人公の男のはみだし者感を演出して好きです。マッチがダークなスーツでボルサリーノを粋に決めて歌っても、主人公の心情が伝わりにくいのです。

 やはり歌は形だけではないのです(笑)


 余談ですが、歌詞に出てくるカルメンは中森明菜の事を表しているのじゃないかという都市伝説が流れました。

 スペイン、フラメンコがミ・アモーレの明菜のイメージとピッタリ重なったのでしょうね。



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サクラ色 


 

 サクラ色 歌手:アンジェラ・アキ 作詞:アンジェラ・アキ

 歌詞はこちらで。

 2007年3月リリース、アンジェラ・アキ5枚目のシングル。彼女がワシントンD.C.での何もかもが上手くいかなかった時代を回顧し、ポトマック河畔に咲く桜に自分の希望を託した楽曲だそうです。

 タイトルが漢字の「桜」ではなくカタカナの「サクラ」なのはそのせいなのでしょう。

サクラ色

 サクラというキーワードから卒業・出発を後押しする応援ソングかととられがちですが、舞台がアメリカなら卒業シーズンは夏で新年度が秋になるので、これは当てはまらないと思います。

 アンジェラ・アキがこの花を曲のテーマに選んだのは、スタート・ゴールの節目の象徴という日本的感覚ではなく、その儚さからではないでしょうか。

 ソメイヨシノという品種は元々は1つの原木から増えたクローンらしく個体差が無い為、一斉に開花して一斉に散るそうです。

 短い期間ながらも一生懸命に咲きほこる姿。そこにアンジェラ・アキが人の生き方を投影させたのではないでしょうか。

 「パッと輝く瞬間のを忘れたらあかんでー」と関西弁が聞こえてきそうです(笑)


 川沿いに咲いてた サクラ並木を 共に生きていくと 二人で歩いた

 世界に飲み込まれ 吐き出されても ただそばにいたくて もっともっともっと


 一緒に桜並木を歩く相手は恋人なのでしょうか。私はこれはもうひとりの彼女自身の姿だと思います。

 自信が持てないでいる自分と、希望に胸膨らます自分。その二人が同居していたのが桜の咲く頃だったのではないでしょうか。

 この気持ちが延々と続いて欲しくて「もっともっともっと」と願っていたのでしょう。

 でもその願いが叶う事は無かったのです。

 時間の流れと愛の狭間に落ちて あなたを失った

 時が過ぎて、桜の花が散るように「あなた」というもうひとり自分を失ってしまった=希望を持てなくなってしまったのです。


 恋しくて目を閉じれば あの頃の二人がいる サクラ色のあなたを忘れない ずっとずっとずっと

 自信喪失して行き詰まった彼女が思い出すのが、桜の咲く風景。そこには希望を抱えたもうひとりの自分の姿が。

 桜の色や香りが忘れかけていたものを甦らせてくれるのです。

 その気持ちを忘れたくない気持ちが「ずっとずっとずっと」の繰り返しに込められているのですね。


 ふるさと心の中で今でも優しく響くよ そんな歌が聴こえる

 自分の原点である「ふるさと」。行き詰まった時は原点回帰して、忘れかけていた気持ちを思い出すのが大切なのですね。



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最後の夜汽車 


 

 最後の夜汽車 歌手:甲斐バンド 作詞:甲斐よしひろ

 歌詞はこちらで。

 1977年10月リリース、甲斐バンド4枚目のオリジナルアルバム「この夜にさよなら」に収録。切ないピアノのイントロが印象的なバラードナンバー。シングルカットはされませんでしたが、ピンスポットで歌う甲斐よしひろが格好いいライブ映えする曲です。

 夜汽車に乗った女が男の元を去っていく。ただの別離の曲と思われがちですが、実はもっと根が深いのではないかと思います。

最後の夜汽車

 歌詞に登場するのは男と女ともうひとりの女の3人。「僕」と「君」と「あの人」です。


 1コーラス目と2コーラス目のAメロは「僕」の「君」に対する片思いの歴史を綴っています。

 1.スポットライトは どこかのスターのもの 陽のあたらない場所を 僕は生きてきた

  ふりそそぐ白い 月あかりにさえ 肩をすぼめては 目をとじてきた


 2.拍手が鳴りやみ 客がいなくなっても 歌い続ける 悲しいシンガーのように

  僕はいつでも 冷たい君に 苦いを 歌いつづけた


 辛い片思いを続ける「僕」を歌手に例えています。恋愛を成就した人間がスターなら、いつまでも気持ちが届かない自分は陽の当たらない存在。「白い月あかり」さえ避けて歩くような、卑屈な気持ちすらあるようです。

 そして「君」を客になぞらえて、気持ちが届く事を信じて延々と歌い続けた「僕」は悲しい(売れない)シンガーだと。

 「裏切りの街角」のヒット後、「HERO」で再び表舞台に立つまで、地道にライブ活動を続けた甲斐バンドの姿にもダブって見えて説得力があります。


 そしてサビのフレーズ。

 君が乗った 最後の夜汽車が 僕の街を遠ざかる

 「君」が「僕」から離れていくように見えますが、実は逆じゃないかと思うのです。

 最初から「冷たい君」は「僕」の事を鼻にもかけていません。あくまでも「僕」の片思いなのですから。

 「僕の街」とは「僕」の心の事で、そこから遠ざかると言うのは、「君」の存在が徐々に薄れていくという事なのでしょう。

 つまり、「僕」の気持ちが「君」から遠ざかっていると解釈できます。

 長い片思いに終止符を打たせたのが3コーラス目に出てくる「あの人」の存在でしょう。


 僕が淋しいって 言ったら あの人はバカねって そっと微笑った

 ほほに優しく 手をやりながら 僕しかいないって 言ってくれた


 「あの人」と言う表現から年上の女性だと推測できます。「君」への片思いの気持ちをずっと相談していたのでしょうか。その中で思わず漏らした「淋しい」という「僕」の本音。それに対して優しく「僕しかいない」と言ってくれた「あの人」。

 なにか全てを受け止めて、優しく包み込んでくれる母性のようなものを感じます。「あの人」が頬にあてた手の温もりは「僕」にとって何が必要かという事を気づかせてくれたのですね。

 「あの人」はずっと長い間「僕」の事を優しく見守ってくれていたのでしょう。それなのに「君」ばかりを追いかけていた「僕」。

 灯台元暗しで、「僕」の事を一番大切に思ってくれていたのは近くにいた「あの人」だったのです。


 そして4コーラス目で「僕」は決意をします。

 白い月あかりの その裏側で 僕はゆがんだ 顔を洗った

 白い月あかりの その裏側で のかけらを 洗い落とした


 1コーラス目で「白い月あかり」に肩をすぼめて目を閉じてきた「僕」。そんな手の届かない光を諦めて、自分の卑屈な心とサヨナラをしたのです。を落とした心ともサヨナラです。


 君が乗った 最後の夜汽車が 僕の街を遠ざかる

 君が乗った 最後の夜汽車が 僕の街を遠ざかる


 「君」への片思い卑屈な心、を乗せて、夜汽車は「僕」の街から遠ざかっていきます。


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ギブス 


 

 ギブス 歌手:椎名林檎 作詞:椎名林檎

 歌詞はこちらで。

 2000年1月リリース、椎名林檎5枚目のシングル。後にJUJUやMs.OOJA等の女性シンガーがカバーしています。

 椎名林檎の書く詞は哲学的な言葉が多く難解です。(特に「罪と罰」や「本能」等の初期作品)

 言葉で武装して、周りを寄せつけないようなトンガリ方すら感じます。その言葉の中に人間の業の深さが見え隠れするのが彼女の魅力なのですが。

 この曲は初期の林檎作品には珍しく、シンプルなラブソングです。

ギブス

 女子の彼氏に対する不安な恋心を綴った歌詞だと解釈できます。

 あなたはすぐに写真を撮りたがる あたしは何時もそれを厭がるの

 だって写真になっちゃえば あたしが古くなるじゃない


 写真を撮りたがる彼と嫌がる彼女。彼女の嫌がる理由は「あたしが古くなる」。これは写真だとやがて色あせて古くなるという事ではなく、写真に残す行為自体を言っているのだと思います。

 思い出を残す行為である写真撮影。すると自分が思い出に閉じ込められ、過去のものになってしまうかもしれないと恐れているのでしょう。


 あなたはすぐに絶対などと云う あたしは何時も其れを厭がるの

 だって冷めてしまっちゃえば 其れすら嘘になるじゃない


 彼の絶対の後に続くのは「離さない」「愛し続ける」と言った甘い言葉だと思います。それも嫌がる彼女。

 「冷めてしまえば嘘になる」←こう言われてしまっては身も蓋もないのですが(笑)人の感情に絶対という言葉はありえないと彼女は指摘しています。未来の事すら彼女は恐れているのですね。


 そして1コーラス・2コーラス目のそれぞれのサビにあるフレーズ

 明日のことは判らない だからぎゅっとしていてね

 昨日のことは忘れちゃおう だからぎゅっとしていてね


 彼女が大切にしたいのは「過去」でも「未来」でもなく「」なのです。の自分を抱きしめてほしいのです。

 骨折した箇所をぎゅっと固定するギブスのように、フワフワとした不安な気持ちをぎゅっと彼に固定して欲しいのですね。


 椎名林檎っぽくない(失礼)とても可愛い女性像が描かれていると思います。

 ちなみに2コーラス目に出てくるカート・コバーンとコートニー・ラブの名前は、単にこの曲を作った時に付き合っていた彼がニルヴァーナのファンだったと言うだけで、深い意味はないそうです。

 PVは可愛らしい歌詞とは裏腹に、林檎らしさ全開のおどろおどろしい表情が見れます(笑)



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卒業 


 

 卒業 歌手:斉藤由貴 作詞:松本隆

 歌詞はこちらで。

 1985年2月リリース、斉藤由貴のデビューシングル。80年代のヒットメーカー、松本隆筒美京平コンビの作品です。

 菊池桃子、尾崎豊も同じ時期に同名タイトルの曲をリリースし、それぞれヒットしてチャートを賑わせた記憶があります。

 3曲とも舞台は学校です。各曲テーマが違い、尾崎豊は「支配からの卒業」、菊池桃子は「初恋からの卒業」。

 斉藤由貴のこの曲も「淡い初恋からの卒業」ですが、菊池バージョンが素直な女子の気持ちを表現してるのに対し、素直じゃない女子が主人公なのです。

 素直じゃないと言うより、「素直になりたくてもなれない」と言った感じでしょうか。

卒業

 迎えた卒業式当日。登場する男女の関係性は「友達以上恋人未満」といった微妙な感じです。更に主人公の彼女は彼に対し、妙に覚めたような態度をしているように見えます。


 制服の胸のボタンを 下級生たちにねだられ 頭かきながら逃げるのね ほんとうは嬉しいくせして

 下級生の女の子が憧れの先輩にボタンをもらう。卒業式によくある風景ですね。逃げながらまんざらでもない彼。それを見た彼女は普通なら嫉妬の気持ちが出るところですが、それを隠しているように感じます。


 離れても電話するよと 小指差し出して言うけど 守れそうにない約束は しない方がいい ごめんね

 卒業して東京へ旅立つ彼。遠距離になっても「電話する」という約束をしないでほしいという彼女。微妙な二人の関係性のまま離れると縁遠くなっていく事を分かっているのですね。

 
 セーラーの薄いスカーフで 止まった時間を結びたい だけど東京で変わってく あなたの未来は縛れない

 覚めた態度を取る彼女ですが、このフレーズに本心が出ています。本当はこのまま時間が止まって欲しいと思っているのです。ワガママを言いたいのですが「恋人未満」という微妙な関係が邪魔をしているのでしょう。


 そして卒業式を終えた帰り道のシーン。

 駅までの遠い道のりを はじめて黙って歩いたね 反対のホームに立つ二人 時の電車がいま引き裂いた

 今までは賑やかにはしゃぎながら帰った通学路。初めて沈黙したまま歩く二人。このまま終わってしまうべきかどうか、きっと迷いがあったと思います。そして、それぞれ駅のホームに立ち、そのまま入ってきた電車に終止符を打たれたのです。


 卒業しても友だちね それは嘘では無いけれど でも過ぎる季節に流されて 逢えないことも知っている

 二人は駅のホームで一旦別れました。「友だち」ならばまた逢えるかもしれない。でも、それぞれ新しい環境で過ごす中で心変わりしてしまう事を知っていたのです。だから彼女は彼に対し覚めたような態度を取り、本当の気持ちを伝える事が出来なかったのでしょうね。

 ほんの少し勇気を出せば状況は変わったかもしれないのに、それが出来なかった思春期のほろ苦さ。それが青春なのです(笑)

 誰にでもあるような思い出の1ページのような設定が、この曲全体に漂う「切なさ」だと思います。

 卒業式で泣かないと 冷たい人と言われそう でももっと哀しい瞬間に 涙はとっておきたいの

 「哀しい瞬間」とは離れ離れになった二人の気持ちが完全に切れてしまった時の事でしょうか。それともこれからの長い人生で起こりうるかもしれない、本当の哀しい事なのでしょうか。

 この日は彼と彼女にとって「淡い初恋からの卒業」と同時に「微妙な関係性からの卒業」だったのかもしれません。



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