3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


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街路樹 


 

 街路樹 歌手:尾崎豊 作詞:尾崎豊

 歌詞はこちらで。

 1988年9月リリース、尾崎豊4枚目のアルバムのタイトル曲。尾崎が20代になっての作品です。

 この頃の尾崎はすでに10代のカリスマというキャラクターが確立されていました。それは、これまでのシンガーのように、大人が若者の気持ちになって代弁してくれるのではなく、若い尾崎自身が自らの言葉で学校や社会への不満を訴えてくれる事に意味があったのではないでしょうか。

 しかし当の尾崎は20代になり、社会的に大人の仲間入りをしてしまった。これからどのような方向へ進んでいくべきかを苦悩したと思います。

 当時テレビのインタビューで「これからは“20代の地図”を歌っていきます」と笑顔で答えていましたが、老婆心ながらここまでキャラクターが大きくなって、この人は大人になりきれるのだろうかと心配してしまった記憶があります(笑)

街路樹

 まさに尾崎の苦悩が現れた難解な歌詞になっています。渡米し、ニューヨークの街角で感じた事をそのまま綴ったのではないでしょうか。

 吹き上げる地下鉄の風の中、空き缶の前で何時間も佇む尾崎。自分の生き方、方向性、愛についてまでも考えています。

 そして藁をもつかむ思いで、その答えを街路樹に求めたのではないでしょうか。


 答えておくれよ これは愛なのか 運命のいたずらと 泣けるかな

 別々の答えが 同じに見えただけ 過ちも正しさも裁かれる


 それに対して街路樹は明確な答えを出してくれる訳でもなく、代わりに優しく木漏れ日を降り注いでくれたのです。

 足音に降りそそぐ心もよう つかまえて 街路樹たちの歌を

 その中に尾崎が見つけた答え。それが2コーラス目のAメロにあると思います。

 考えちゃだめさ

 まさしくブルース・リーの映画の中にも出てくる名言“Don’t think,feel.”ですね。

 そして2コーラス目は某有名女優との不倫の場面を歌ったのではないかと思わせるフレーズも登場します。

 更に苦悩して、街路樹に答えを求める尾崎。


 聞こえているなら 答えておくれ その意味は激しく降り続く

 心偽れずに 思い出すことさえも やがて僕の心を洗うだろう



 きっと答えは出ないまま、迷走を続け酒とドラッグの果てに早すぎる生涯を閉じたのかもしれません。

 天才である故に苦悩しなければならなかった。この頃は人間不信に陥っていたとの説もあります。

 街角の街路樹に助けを求めなければならない程苦しんでいたのかと考えると、なんとも悲しい曲に思えてきます。



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category: 80年代後半

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tag: 尾崎豊  街路樹  ニューヨーク  苦悩  20代 
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白い雲のように 


 

 白い雲のように 歌手:猿岩石 作詞:藤井フミヤ

 歌詞はこちらで。

 1996年12月リリース、毒舌キャラで人気の有吉弘行が所属していたお笑いコンビ「猿岩石」のデビューシングル。作詞は元チェッカーズの藤井フミヤ、作曲が弟の藤井尚之。後に彼らの兄弟ユニットF-BLOODがセルフカバーしています。

白い雲のように

 猿岩石の人気をブレイクさせた「進め!電波少年」でのユーラシア大陸横断ヒッチハイク終了後に出された曲であり、歌の内容もそのヒッチハイクを彷彿させる、いわゆる「企画もの」なのですが、猿岩石の歌唱力と歌詞・曲のクオリティの高さで、単なるアイドルソングでは片付けられない名曲です。

 最近もたまに行先を書いたボードを掲げたヒッチハイカーを見る事があります。

 彼らは何故ヒッチハイクをするのでしょう?そこには色々な理由があると思います。

 「お金が無い」「行動力や度胸を付ける為の鍛錬」「人との出会い」等々。(猿岩石の場合は番組の企画だったのですが(笑))

 その背景にあるのは「自由」と「若さ」なのです。

 遠ざかるを見つめて まるで僕たちのようだねと君がつぶやく 見えない未来を夢見て

 ポケットのコイン集めて 行けるところまで行こうかと君がつぶやく 見えない地図を広げて

 気ままに流れる自由の象徴。行けるところまでとことん突き進めるのは若さの象徴。小銭をひっかき集めて、旅立つ。

 曲の主人公達にはお金は無くても「自由」と「若さ」と「時間」だけは十分にあります。その3つだけはどんなお金持ちでもセレブでも手に入れる事ができない尊いもの。反対に誰でも人生の中で手に入れる事ができるものでもあります。

 そんな若い時期に経験したものは、あとあと大きな財産になります。

 くやしくてこぼれ落ちたあの涙も 瞳の奥へ沈んでいった夕日も 目を閉じると輝く宝物だよ

 辛さも嬉しさも、思い出は全部これからの人生の宝物なんですね。


 F-BLOODバージョンを聴いてみると、彼らが生まれ育った福岡県の筑後平野の風景が目に浮かんできました。

 雄大に流れる筑後川の上にのんびりと浮かぶ白い。この曲には自分達の未来を夢見てを見上げていたアマチュア時代の思い出としての一面もあるのではないかと勝手に解釈してみました。



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category: 90年代後半

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tag: 白い雲のように  猿岩石  藤井フミヤ  有吉弘行    ヒッチハイク  自由  時間  若さ 
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夏休み 


 

 夏休み 歌手:吉田拓郎 作詞:吉田拓郎

 歌詞はこちらで。

 1971年リリース、初期の吉田拓郎の代表曲のひとつ。少年が経験する夏休みの出来事を綴っています。今でも夏休みといえば真っ先に浮かぶ曲ですね。

夏休み

 吉田拓郎は好きなミュージシャンですが、この曲はずっと受け入れる事ができませんでした。

 確かに昭和40年代、50年代に小学生時代を過ごした人なら共感できる歌詞の内容です。「麦わら帽子、蛙、絵日記、花火、とんぼ、スイカ、ひまわり、夕立、せみの声」。誰しもが「あ~そうそう」とうなずく夏休みの風景。

 その時代に子供時代を過ごした人間だからこそ、「だから何?」と思っていたのです。あまりにもストレート過ぎて、その歌詞の奥に秘められたものが何度聞いても響いてこなかったのです。

 あの天下の吉田拓郎の代表曲がだたの「あるあるソング」でいいのか!とひとり憤慨した日々も(笑)


 そして時代は進み平成へ。地球温暖化による異常気象。毎日報道されるゲリラ豪雨や熱中症による被害。

 昭和の時代に比べると、日本人にとってというものがあまりにも過酷な季節になってきているのは事実です。


 そんな折に、ラジオから流れてきた「夏休み」。牧歌的な昭和の夏の風景が、スっと心の中に蘇ってきました。

 昔の日本の夏は、もっと優しかったんですよね。


 麦わら帽子は もう消えた たんぼの蛙は もう消えた


 確かに今の時代ではもう見ることができないものなのかもしれません。昔、自分が見つける事ができなかった、この曲に秘められた本当の意味。

 前回の福山雅治のひまわりの時と同じく、時代が変わったからこそ心に響くようになった美しい昭和の夏の風景だったのでしょう。

 平成の今、ただのあるあるソングではなく、少年時代を回顧する唱歌的なものになっている気がします。


 ※姉さん先生の件(くだり)は吉田拓郎のヤンチャなませガキぶりが感じられて、昔から大好きでした(笑)




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category: 70年代前半

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tag: 夏休み  吉田拓郎  日本  昭和    回顧 
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ひまわり 


 

 ひまわり 歌手:福山雅治 作詞:福山雅治

 歌詞はこちらで。

 2003年8月リリース、福山雅治18枚目のシングル。前年に前川清へ書き下ろした曲のセルフカバーです。

 ゆったりとしたメロディの中に、の風景が散りばめられたナンバーです。

ひまわり

 歌詞の主人公が、まどろんだ中で見た夢。そこに出てきたのは「あなた」とのの思い出でした。

 夢を見ていました あなたと暮らした

 恐らくそのは、ここ数年前ではなく、もっと遠い過去の事なのでしょう。俳句の季語のように、の日々を連想させるワードの数々。

 ひざ枕、風鈴、子守唄、夕涼み、宵祭り、洗い髪、氷菓子etc.

 そのほどんどが、現代ではなく、昔の日本のの風景を連想させてくれます。

 福山雅治前川清の中で共有できる風景、同郷の彼らの中に生きている昭和長崎の風景のような気がします。


 歌詞の主人公は、まだまだ自由な恋愛の選択肢が少なかった昭和を生きた女性なのではないでしょうか。

 ままならない恋心。それを振り切り、ひと夏だけの駆け落ちをした相手との思い出を綴ったという解釈もできます。


 ひまわりのようにまっすぐな人と過ごした蛍火のような儚い日々。凝縮された短い日々の中、作ったいくつかの思い出が「ひざ枕、風鈴、子守唄、夕涼み、宵祭り、洗い髪、氷菓子」なのでしょう。

 やがて二人は引き裂かれ、それぞれの人生を歩み長い月日が流れました。それでも、毎年夏になると、あの時と同じようにひまわりは花を咲かせるのです。

 せつない歌詞の中に見えるのは昭和の風景と美しい日本人の姿です。



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category: 00年代前半

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tag: ひまわり  福山雅治  前川清    長崎  昭和  蛍火 
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