3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


心の旅 


 

 心の旅 歌手:チューリップ 作詞:財津和夫

 歌詞はこちらで。

 1973年4月、チューリップ3枚目のシングルとしてリリース。87万枚の売り上げを記録し、チューリップ唯一のオリコンチャート1位獲得シングルです。

 この曲がダメだったら地元博多へ帰ろうという話が出ており、メインボーカルを財津和夫ではなく姫野達也に変更し背水の陣で挑んだそうです。

 姫野氏の甘い声は、一見アイドルソングのように聴こえますが、それが返って登場人物の少年性を際立たせたような気がします。悩める思春期の少年の心情が表現されているのではないでしょうか。

心の旅

 歌詞は財津氏の上京前の心境を歌ったものだと言われています。別れを翌日に控えた恋人達の曲です。

 曲の冒頭に持ってこられたサビ。それで今の二人の状況を説明しています。

 あーだから今夜だけは君をだいていたい あー明日の今頃は僕は汽車の中

 別れる前夜の二人。男は汽車で旅立つ予定です。残り少ない時間を噛みしめるように、恋人を抱きしめる男。


 旅だつ僕の心を知っていたのか 遠く離れてしまえば 愛は終わるといった

 「遠く離れたら愛は終わる」と言う彼女。遠距離恋愛は無理だと言っているのです。

 確かにこの曲がヒットした70年代、携帯やパソコンがあるわけでもなく、固定電話もそうそう自由に使えません。遠距離で恋人達が心を行き交わせる手段は手紙がほとんどでした。二人のうちの一人が筆不精なら、すぐに連絡が途絶える危うさだってあります。遠距離受難の時代だったのです。

 でも「旅だつ僕の心を知っていたのか」と言う前置きがありますね。男の心は旅立ちと同時に彼女から離れる事を決意していたのでしょう。それを察知した彼女は「遠距離は無理」と言ったのではないでしょうか。

 でも男の気持ちは心変わりで彼女から離れるのではないようです。

 もしも許されるなら眠りについた君を ポケットにつめこんで そのままつれ去りたい

 できるなら彼女を連れて行きたい男。それができない何らかの理由。

 ・夢の実現の為に生活が不安定になるかもしれない。・彼女の親の強い反対にあっている。

 普通に考えたらこれらが考えられますが、もうひとつ2コーラス目の歌詞に理由を匂わすフレーズがあります。

 いつのいつの時でも僕は忘れはしない 愛に終りがあって 心の旅がはじまる

 愛が終わってはじまる心の旅とは一体なんでしょう。傷心を癒す為の旅?それでは、最初から傷心旅行ありきの別れになって辻褄が合いません。

 これは男の持って生まれた性分なのではないでしょうか。悪く言えば「放浪癖」常に彷徨いたい気持ちがどこかにあったのではないのでしょうか。

 まるで学園を抜け出して放浪の旅に出ていた山下清のように。

 何物にも縛られる事なく自由に旅立つ。男はそれを「心の旅」と名付けていたのかもしれません。

 いつもいつの時でも忘れはしないという事は、男は今回が最初ではなく過去に同じような別れを経験していたのでしょう。


 自分で決めた「心の旅」と彼女への想いを天秤にかけながら、男は悩み続けたのだと思います。

 その心の叫びが、あーだから今夜だけは君を抱いていたい“あー”に込められているのでしょう。



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category: 70年代前半

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tag: 心の旅  チューリップ  財津和夫  姫野達也  別れ  遠距離  放浪癖 
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