3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


卒業 


 

 卒業 歌手:斉藤由貴 作詞:松本隆

 歌詞はこちらで。

 1985年2月リリース、斉藤由貴のデビューシングル。80年代のヒットメーカー、松本隆筒美京平コンビの作品です。

 菊池桃子、尾崎豊も同じ時期に同名タイトルの曲をリリースし、それぞれヒットしてチャートを賑わせた記憶があります。

 3曲とも舞台は学校です。各曲テーマが違い、尾崎豊は「支配からの卒業」、菊池桃子は「初恋からの卒業」。

 斉藤由貴のこの曲も「淡い初恋からの卒業」ですが、菊池バージョンが素直な女子の気持ちを表現してるのに対し、素直じゃない女子が主人公なのです。

 素直じゃないと言うより、「素直になりたくてもなれない」と言った感じでしょうか。

卒業

 迎えた卒業式当日。登場する男女の関係性は「友達以上恋人未満」といった微妙な感じです。更に主人公の彼女は彼に対し、妙に覚めたような態度をしているように見えます。


 制服の胸のボタンを 下級生たちにねだられ 頭かきながら逃げるのね ほんとうは嬉しいくせして

 下級生の女の子が憧れの先輩にボタンをもらう。卒業式によくある風景ですね。逃げながらまんざらでもない彼。それを見た彼女は普通なら嫉妬の気持ちが出るところですが、それを隠しているように感じます。


 離れても電話するよと 小指差し出して言うけど 守れそうにない約束は しない方がいい ごめんね

 卒業して東京へ旅立つ彼。遠距離になっても「電話する」という約束をしないでほしいという彼女。微妙な二人の関係性のまま離れると縁遠くなっていく事を分かっているのですね。

 
 セーラーの薄いスカーフで 止まった時間を結びたい だけど東京で変わってく あなたの未来は縛れない

 覚めた態度を取る彼女ですが、このフレーズに本心が出ています。本当はこのまま時間が止まって欲しいと思っているのです。ワガママを言いたいのですが「恋人未満」という微妙な関係が邪魔をしているのでしょう。


 そして卒業式を終えた帰り道のシーン。

 駅までの遠い道のりを はじめて黙って歩いたね 反対のホームに立つ二人 時の電車がいま引き裂いた

 今までは賑やかにはしゃぎながら帰った通学路。初めて沈黙したまま歩く二人。このまま終わってしまうべきかどうか、きっと迷いがあったと思います。そして、それぞれ駅のホームに立ち、そのまま入ってきた電車に終止符を打たれたのです。


 卒業しても友だちね それは嘘では無いけれど でも過ぎる季節に流されて 逢えないことも知っている

 二人は駅のホームで一旦別れました。「友だち」ならばまた逢えるかもしれない。でも、それぞれ新しい環境で過ごす中で心変わりしてしまう事を知っていたのです。だから彼女は彼に対し覚めたような態度を取り、本当の気持ちを伝える事が出来なかったのでしょうね。

 ほんの少し勇気を出せば状況は変わったかもしれないのに、それが出来なかった思春期のほろ苦さ。それが青春なのです(笑)

 誰にでもあるような思い出の1ページのような設定が、この曲全体に漂う「切なさ」だと思います。

 卒業式で泣かないと 冷たい人と言われそう でももっと哀しい瞬間に 涙はとっておきたいの

 「哀しい瞬間」とは離れ離れになった二人の気持ちが完全に切れてしまった時の事でしょうか。それともこれからの長い人生で起こりうるかもしれない、本当の哀しい事なのでしょうか。

 この日は彼と彼女にとって「淡い初恋からの卒業」と同時に「微妙な関係性からの卒業」だったのかもしれません。



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