3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


最後の夜汽車 


 

 最後の夜汽車 歌手:甲斐バンド 作詞:甲斐よしひろ

 歌詞はこちらで。

 1977年10月リリース、甲斐バンド4枚目のオリジナルアルバム「この夜にさよなら」に収録。切ないピアノのイントロが印象的なバラードナンバー。シングルカットはされませんでしたが、ピンスポットで歌う甲斐よしひろが格好いいライブ映えする曲です。

 夜汽車に乗った女が男の元を去っていく。ただの別離の曲と思われがちですが、実はもっと根が深いのではないかと思います。

最後の夜汽車

 歌詞に登場するのは男と女ともうひとりの女の3人。「僕」と「君」と「あの人」です。


 1コーラス目と2コーラス目のAメロは「僕」の「君」に対する片思いの歴史を綴っています。

 1.スポットライトは どこかのスターのもの 陽のあたらない場所を 僕は生きてきた

  ふりそそぐ白い 月あかりにさえ 肩をすぼめては 目をとじてきた


 2.拍手が鳴りやみ 客がいなくなっても 歌い続ける 悲しいシンガーのように

  僕はいつでも 冷たい君に 苦いを 歌いつづけた


 辛い片思いを続ける「僕」を歌手に例えています。恋愛を成就した人間がスターなら、いつまでも気持ちが届かない自分は陽の当たらない存在。「白い月あかり」さえ避けて歩くような、卑屈な気持ちすらあるようです。

 そして「君」を客になぞらえて、気持ちが届く事を信じて延々と歌い続けた「僕」は悲しい(売れない)シンガーだと。

 「裏切りの街角」のヒット後、「HERO」で再び表舞台に立つまで、地道にライブ活動を続けた甲斐バンドの姿にもダブって見えて説得力があります。


 そしてサビのフレーズ。

 君が乗った 最後の夜汽車が 僕の街を遠ざかる

 「君」が「僕」から離れていくように見えますが、実は逆じゃないかと思うのです。

 最初から「冷たい君」は「僕」の事を鼻にもかけていません。あくまでも「僕」の片思いなのですから。

 「僕の街」とは「僕」の心の事で、そこから遠ざかると言うのは、「君」の存在が徐々に薄れていくという事なのでしょう。

 つまり、「僕」の気持ちが「君」から遠ざかっていると解釈できます。

 長い片思いに終止符を打たせたのが3コーラス目に出てくる「あの人」の存在でしょう。


 僕が淋しいって 言ったら あの人はバカねって そっと微笑った

 ほほに優しく 手をやりながら 僕しかいないって 言ってくれた


 「あの人」と言う表現から年上の女性だと推測できます。「君」への片思いの気持ちをずっと相談していたのでしょうか。その中で思わず漏らした「淋しい」という「僕」の本音。それに対して優しく「僕しかいない」と言ってくれた「あの人」。

 なにか全てを受け止めて、優しく包み込んでくれる母性のようなものを感じます。「あの人」が頬にあてた手の温もりは「僕」にとって何が必要かという事を気づかせてくれたのですね。

 「あの人」はずっと長い間「僕」の事を優しく見守ってくれていたのでしょう。それなのに「君」ばかりを追いかけていた「僕」。

 灯台元暗しで、「僕」の事を一番大切に思ってくれていたのは近くにいた「あの人」だったのです。


 そして4コーラス目で「僕」は決意をします。

 白い月あかりの その裏側で 僕はゆがんだ 顔を洗った

 白い月あかりの その裏側で のかけらを 洗い落とした


 1コーラス目で「白い月あかり」に肩をすぼめて目を閉じてきた「僕」。そんな手の届かない光を諦めて、自分の卑屈な心とサヨナラをしたのです。を落とした心ともサヨナラです。


 君が乗った 最後の夜汽車が 僕の街を遠ざかる

 君が乗った 最後の夜汽車が 僕の街を遠ざかる


 「君」への片思い卑屈な心、を乗せて、夜汽車は「僕」の街から遠ざかっていきます。


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