3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


大きな玉ねぎの下で~はるかなる想い~ 


 

大きな玉ねぎの下で

 大きな玉ねぎの下で~はるかなる想い~ 歌手:爆風スランプ 作詞:サンプラザ中野

 歌詞はこちらで。

 1989年10月に爆風スランプ15枚目のシングルとしてリリース。1985年に発売された2ndアルバム『しあわせ』に収録された曲をリメイクしたものです。


 インターネットが普及した現在、すっかり姿を消した「文通」。昭和の時代には、遠く離れた人と知り合う為の唯一の方法が文通でした。

 雑誌等には「文通相手募集」のコーナーがあり、全国の少年少女が胸を焦がして手紙を書いたのです。

 その文通相手と初めて実際に出会う少年に起こった出来事を歌った切ない曲です。

 タイトルの「玉ねぎ」とは日本武道館の屋根の上に載っている擬宝珠です。今では大きなコンサートはドーム公演になりますが、昭和の頃は日本武道館がメッカだったんですよね。

 ※余談ですが、地方在住の私が東京に行った時、この歌詞の通りに地下鉄の「九段下駅」で降りて、玉ねぎを目印に歩き、まったく迷えず日本武道館へ行けました(笑)


  この曲の主人公の少年は、文通相手の少女に会いたい気持ちを抑えられずに、貯金をはたいて武道館で行なわれるライブのチケットを購入。少女へ送ります。

 定期入れの中のフォトグラフ 笑顔は動かないけど

 あの大きな玉ねぎの下で 初めて君と会える

 写真でしか知らない少女の姿。動かない笑顔。でも、初めて会える!少年の胸のトキメキは最高潮だったでしょうね。

 九段下の駅をおりて坂道を 人の流れ追い越して行けば

 とにかく興奮を抑えられずに、早足で人をドンドン追い越して行きます。もしかしたら、スキップしていたかもしれません(笑)


 会場に着いた少年。開演時間は刻一刻と迫りますが、隣の席に来る筈の少女は中々姿を現しません。

 何度もロビーに出てみたよ 君の姿を捜して

 時間になり無情にもライブは始まってしまいます。

 君の返事読みかえして席をたつ そんな事をただ繰り返して

 時計だけが何もいわず回るのさ 君のための席が冷たい

 姿を見せない少女。折れそうな気持の少年をなんとか支えていたのは少女からもらっていた手紙の返事だったのです。「会えるのを楽しみにしているよ」「観たかったライブをありがとう」等々の言葉だけが僅かに残された少年の希望でした。

 きっと何かあったに違いない。急に病気になったのかな?それとも慣れない東京で道に迷ったのかな?

 少女の事を信じている(もしくは信じようと自分で言い聞かせている)少年の頭の中には、そんな想像も駆け巡っていたのかもしれません。

 少年の想いとは関係なく、時計だけが無機質に回り、時間は過ぎていったのです。

 そしてラストの曲が終わり、お客さんがアンコールを叫ぶ中、少年はたまらなくなり、武道館を飛び出します。

 千鳥ヶ淵 月の水面 振り向けば 済んだ空に光る玉ねぎ

 悲しい少年の気持ちを知ってか知らずか、来た時と同じ様に「玉ねぎ」は屋根の上で光っています。でもその背景は黄昏から、月夜の空に変わっていました。

 さっきまでのワクワクしていた気持ちが、悲しさに変化したように・・・。


 果たしてこのドタキャンにはどのような理由があったのでしょうか。

 ①少女が急用で来られなくなった。

 ②会いたいと思っていたが、やはり勇気が出ずに来れなかった。

 ③少女は少年をただの文通相手としか見ておらず、会う気はなかった。

 これだけは絶対に考えたくないのですが・・・

 ④実は冷やかし目的の文通だった(もしかしてネカマ!?)


 この曲の歌詞の中から、そこまで推測するのは不可能だと思います。

 実は、この曲にはアンサーソングがあり、YURIMARIの「初恋~はるかなる想い~」というタイトルで出ています。

 その中に、作詞のサンプラザ中野氏が出した答えがあるのですが、それはまた別に機会に。


 いずれにしても、携帯電話等が無かった時代が生んだ「すれちがい」の切ない物語なのです。


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category: 80年代後半

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