3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


優しい陽射し 


 

 優しい陽射し 歌手:尾崎豊 作詞:尾崎豊

 歌詞はこちらで。

 1992年5月リリース、尾崎豊12枚目のシングル「汚れた絆」のカップリング曲。同時発売されたアルバム「放熱への証」にも収録されています。

 リリースの前月、尾崎本人が肺水腫によって急逝したため、遺作になりました。

優しい陽射し

 以前、街路樹の投稿の中で、10代の代弁者だった尾崎が、20代を超えてしまった苦悩を書きました。彗星の如く現れて、世の大人に対する不満や疑問をぶつけて支持を得ていたのが、自分がその大人に属する年齢になってしまった。

 これからの自分はどう進むべきか、何を発信していけばいいのか、悩み続けてたどり着いたのが、遺作となるこの曲だったのではないかと思います。


 過ぎ行く日々の中で 寂しくなるは うつろう心の理由に 一人唇 噛み締めている

 誰かと恋に落ちて 名前は覚えるのに ふっと笑顔の影に 滲む涙が零れ落ちるから


 出だしのAメロです。この“君”自身が尾崎であり、止められない時代の流れの中で、自身も成長という形で変わっていくのに戸惑いを感じ同時に寂しくもあったのでしょう。

 その中での人との出会いを「誰かと恋に落ちて」と表現し、「名前は覚えるのに 涙が零れ落ちた」のは、表面的な付き合いばかりで、分かり合える事が出来なかったという意味ではないでしょうか。


 明日を星で占うテーブルの上で を探す夜に ぼんやり時を見つめているだけ

 このフレーズから、星占いのようなスピリチュアル的なものにも頼った事が想像できます。悩み、苦しみ、藁にもすがる思いで様々なものを試した結果、分かった事。それが各コーラスの最後に記されています。


 何も悲しまないで 暮らしを彩れば きっといつか 答え育むものだと気付く

 「暮らしを彩る」というのは、誰しも身近にあるとてもシンプルな事のような気がします。家族であったり、友人であったり、仕事であったり、その人その人が生きがいと感じるものではないでしょうか。

 繰り返しサビの部分に“憧れが何故か 心を痛めるから”フレーズがあります。世間の期待や自身の理想で上げてしまった高いハードル。それを無理に越えようとする生活に疲れた自分が見つけたのが、身近にあった生きがいなのでしょう。

 その中で育まれるものが悩みぬいた自分の答えだと。尾崎にとってそれは何だったのでしょうか。今後のシンガーとしての方向性なのか、また別のものだったのかは分かりません。

 でも、曲全体に流れる穏やかな雰囲気から、私は家族へのではないかと思います。


 夜に身を委ねて 心偽らず安らかに なれたのも家族への情あってこそじゃないかと。

 瞳を閉じてみる 全てはきっと優しいはずだと

 育んだが身近にある事に気付き、心穏やかになれた尾崎の姿が目に浮かぶようです。


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