3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


踊り子 


 

踊り子

 踊り子 歌手:村下孝蔵 作詞:村下孝蔵

 歌詞はこちらで。

 若くしてこの世を去った天才歌手・村下孝蔵の6枚目のシングルです。1983年8月にリリース。

 アップテンポなリズムと切なく情緒的なメロディーラインの調和。村下氏の曲は、日本の歌謡曲・フォークソングに、ベンチャーズのように小気味よいアレンジを加え、独自の世界観で、新しいのに懐かしい印象を多くの人に与えたのではないかと思います。


 この歌詞の中のキーワードは「林檎の花」と「つまさき」です。

 
 答えを出さずにいつまでも暮らせない バス通り裏の路地 行き止まりの恋だから

 「行き止まりの恋」とは、先の見えない恋なのでしょう。それは「裏の路地」と表現されているように、堂々と表立つ事ができない恋。そして、答えを出さないとこのまま暮らす事ができない。歌に登場する二人はきっと何らかの結論を出す時期に来ているのです。

 何処かに行きたい 林檎の花が咲いてる 暖かい場所なら 何処へでも行く

 林檎の花の開花時期は4月~5月という暖かい季節ですので、ここで言う暖かい場所とは、林檎の花が咲く季節が訪れた場所の事でしょう。
 しかも、林檎というと一般に青森や長野という寒い地方のイメージがあります。長く辛い冬を越えて、林檎の花が咲く春を迎えた寒い地方は、その暖かさがより嬉しく、強調されます。

 きっと、「今の冬の寒さのような辛い環境から、二人して何処かに逃げてしまいたい。暖かい場所(ところ)に行きたい。林檎の花が咲いているような。」と気持ちを表現しているのかもしれません。


 つまさきで立ったまま 君を愛してきた

 「つまさきで立つ」のは非常に不安定です。何故、その体勢をとるのか?それは「背伸び」つまり「身の丈に合わない無理」をしているのです。男性は女性を「背伸び」して愛してきました。等身大で愛する事ができない恋なのです。


 南向きの窓から 見ていた空が 踊り出すくるくると 軽いめまいの後

 写真をばらまいたように 心が乱れる

 不安定な愛し方の恋愛に無理が生じ、めまいを起こすように倒れ込む男性。それを「くるくる」と踊る踊り子という表現をしています。


 2コーラス目のサビは、女性も不安定な愛し方をしている事が表現されています。

 つまさきで立ったまま 僕を愛してきた 狭い舞台の上でふらつく踊り子

 愛してる 愛せない 言葉をかえながら かけひきだけの愛は見えなくなってゆく

 男性だけでなく女性も「つまさき立ちの恋」をしていたのです。素直に「愛してる」と言えずに、お互いの心を探り合うような恋。不倫関係とも取れなくはありません。

 身の丈に合わない愛し方。2人は周りの反対を押し切って、愛し合っているのかもしれません。そんな現状から逃げ出したい思いが「林檎の花が咲く場所に行きたい」と言わせているのでしょう。


 若すぎた それだけが すべての答えだと 涙をこらえたまま つまさき立ちの恋

 繰り返したサビの最後の部分です。周りの反対から逃げるように、若い二人は「駆け落ち」をした。でも、若すぎる未熟な二人に現実は厳しいものだったのかもしれません。


 林檎の花の花言葉は「選ばれた恋」。あるいは「選択」「名声」という意味もあるそうです。

 路地裏で行き止まりの恋をしている二人には、きっと眩しく感じる花言葉でしょう。社会からも周囲からも選ばれ、認められた恋をしたいという願望も「林檎の花」に込められていたのかもしれません。


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category: 80年代前半

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tag: 踊り子  村下孝蔵  林檎の花  つまさき 
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