3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


みずいろの雨 


 

 みずいろの雨 歌手:八神純子 作詞:三浦徳子

 歌詞はこちらで。

 1978年9月リリース、八神純子5枚目のシングル。シングルセールス60万枚で彼女をメジャーへと押し上げました。

 スティービーワンダーを意識したであろう躍動感のある16ビートとサンバホイッスル。これが切ない歌詞とは不釣り合いと思いきや、聴きこんでいると不思議な事に曲の主人公の女性の鼓動に感じてくるのです。

 八神純子の緩急をつけた歌唱力のなせる技だと思います。恐らく彼女以外の人間には歌いこなせない曲ではないでしょうか。

みずいろの雨

 16ビートのリズムが主人公の女性の激しい鼓動に感じると書きましたが、彼女が今相当なプレッシャーに晒されているからです。それが分かるのが1コーラス目のAメロ部分。

やさしい人ね あなたって人は 見ないふりしていたの 私のあやまち

ひとときの気まぐれ 通りすぎるまで 忘れてよ 忘れてよ 愛したことなど

 「私のあやまち」…彼女は恋人を裏切ってしまったのでしょう。「ひとときの気まぐれ」という様に、つい魔が差した浮気だと思われます。それを見ないふりしてくれた彼。その優しさが彼女にとってのプレッシャーになっているのではないでしょうか。

 その彼の態度を彼女はどうしても受け入れる事ができなかった。それが分かるのが2コーラス目のAメロです。

とがめる言葉なら素直に聞けたわ ほほえんでいただけのなつかしい日々

傷ついたその分 淋しい目をしてた もどれない もどれない あの日の二人には

 見ないふりをする彼の優しさに対して、逆ギレしてしまったのではないでしょうか。むしろ彼女にとっては責められた方が気分的に楽だったのでしょう。何も言わないその態度は、返って彼を傷つけてしまったことが浮き彫りにされて彼女を苦しめているように見えます。


 あやまちを犯した彼女を責めない優しい彼。表面上はそう感じても、実はもっと根深いものがあるのではないでしょうか。

 この彼はあえて何も言わない事で、彼女が自責の念に駆られるように追い詰めているようにも見えます。優しいようで実は物凄く冷酷な男性ではないかと思うのです。

 彼女はその事に気づいていて、もがき苦しんでいます。それこそが彼女のハートを16ビートのリズムのように激しく揺り動かしているプレッシャーの正体なのでしょう。


 彼女の肩に降り続く雨は一見ピュアなみずいろに見えても、降り続くうちに体を冷やし、心の結界をも崩してしまう怖さを秘めています。表面的に優しく見える彼も心の奥に同じような怖さを秘めている事を彼女は分かっているのです。


 実は男女間の怖い駆け引きを綴った歌詞であるという解釈ですが、考えすぎでしょうか。


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