3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


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僕にまかせてください 


 

 僕にまかせてください 歌手:クラフト 作詞:さだまさし

 歌詞はこちらで。

 1975年4月リリース、クラフトのセカンドシングル。日本テレビ系ドラマ「ほおずきの唄」の主題歌。作詞・作曲は当時グレープのメンバーだったさだまさし。後にグレープもセルフカバーしています。

僕にまかせてください

 結婚を間近に控えた男女が、女性の亡き母の墓前に報告をするシーンを描いた歌です。お母さんが故人であるにしても、結婚するのはおめでたく嬉しい事。それなのにこの曲全体からは幸せ感よりも、切なさ感のほうが強く伝わってきます。悲しげなメロディーのせいでしょうか。それだけではないような気がします。

 その事をずっと疑問に感じていました。最近、この曲がUPされている動画サイトのコメント欄に「お父さんは?」という若干ツッコミっぽい意見が投稿されていました。言われてみれはこの曲の中にお父さんは登場しません。何故だろうと考えて歌詞を読んでいくとある背景が見えてきました。

 キーになるフレーズがいくつかあります。

 まずは1番のBメロ “きみのかあさんが眠っている ささやかな石のまわり”

 なぜここで「墓石」という言葉を使わずに「石」と言っているのでしょう。恐らく「墓石」と呼ぶには粗末なものなのかもしれません。先祖代々の墓ではなく、そこに眠っているのは彼女のお母さん一人。お母さんは実家から縁を切られた存在なのではないでしょうか。母一人、子一人の家庭で、お母さんは亡くなり、残された彼女が作ったお墓。経済的な理由から質素なお墓だったのかもしれません。

 では、何故お母さんは実家から離縁され、彼女と母一人、子一人だったのでしょう。考えられるのは、彼女のお父さんは妻子ある男で、お母さんは愛人だった。そして彼女を身ごもり、実家の親から産む事を反対された。しかし周りの反対を押し切り、お母さんはひとりで彼女を産んで育てたのではないでしょうか。

 それを表しているのが2番のBメロ。

 “そして僕が大切にしてる 陽だまりのような人

 それもそっと きみのかあさんが 残してくれたもの”


 実家の両親や、もしかしたらお父さんであるはずの男からも産むのを反対され、中絶を強要されたのかもしれません。お母さんはそれらに屈する事なく、彼女の命を育んで残してくれたのです。


  “集めた落ち葉に火をつけて きみはぽつりとありがとう”

 2番と繰り返しサビのフレーズです。この彼女の「ありがとう」には色々な意味が含まれていると思います。

 私を選んでくれてありがとう。お母さんのお墓参りに来てくれてありがとう。そしてなにより、複雑な過去や生い立ちを理解して、それらを含めて愛してくれる彼の包容力に対しての「ありがとう」ではないでしょうか。


 作者のさだまさしは当初この曲のタイトルを「彼岸過迄」(ひがんすぎまで)にしていたそうです。しかしそれだとイメージが暗すぎるとディレクターに指摘されて「僕にまかせてください」に変更したといいます。もし、私の解釈が当たっているなら、曲自体が重いドラマを含んでいるので、せめてタイトルだけは少しでも明るいものにという意向があったのかもしれませんね。



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