3次元で歌詞を読む

曲の歌詞の持つ意味を自己流で深読みして解釈しています。


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はーばーらいと 


 

はーばーらいと

 はーばーらいと 歌手:水谷豊 作詞:松本隆

 歌詞はこちらで。


 ドラマ「相棒」の杉下右京役等の国民的俳優・水谷豊の歌手デビュー曲です。1977年7月リリース。

 作曲は井上陽水で、1984年に「9.5カラット」というアルバムの中でセルフカバーしています。


 大人気ドラマだった「熱中時代」で教師役を演じる前年で、この時の水谷豊は、まるで「和製ジェームス・ディーン」のように、ちょっと寂しさを漂わせたシャイな不良というイメージがありました。

 この曲はそんな彼にピッタリな、寂しさを抱えた不器用な男が恋人と別れるシチュエーションを描いています。


 男は彼女に港で別れを告げようとしています。でも、ストレートに言えずにモジモジとしているのでしょう。

 自分の言葉で彼女が傷ついてしまったらどうしようと迷っているのです。そんな気持ちが見え隠れする1コーラス目です。

 薔薇(ばら)の花びら噛むと 恋がかなうって 迷信さ

 涙より苦いのは そんな君の泣き笑い

 一般的な薔薇の花言葉は「愛・恋・美・幸福」等、恋愛に関するポジティブなものが多いようです。花びらに関するおまじないも、好きな人の名前を書いたり、紅茶に入れて飲めば恋が成就するといったものもあるようです。

 彼らが信じていた花びらを噛むというおまじないも効果が無かったのですね。
 
 「泣き笑い」に見えている彼女の表情。別れの雰囲気の中、彼は彼女の心境が掴めずにいるのでしょうか。


 潮風に逃げる髪 ぼくの手のひらで束ねても

 すり抜けた淋しさは かじかむ指じゃ掴めない

 彼女の気持ちが「髪」、それを探ろうとする彼の気持ちが「手のひら」なのでしょうか。彼女の気持ちを懸命に探っても、手のひらから髪がすり抜けるように、摑む事が出来ません。その淋しさは指先の寒さのように彼の心に沁みてくるのでしょう。


 さよならが言えなくて どじだね

 優柔不断な態度しか示せずに、自分を責める彼。

 この「どじ」という言葉は、最近死語になりつつありますが、完全にダメダメと否定しているのではなく、頑張ろうとしても頑張れない悲しさを含んだ表現だと思います。自分で分かっていても踏み切れない彼自身のもどかしさが表れているのではないでしょうか。


 黄昏はーばーらいと 指切りしよう

 涙で海をうすめないと

 悲しい涙の別れにはするまいと、彼女と約束をする彼。この後にはっきりと別れの言葉を告げたのでしょう。


 そして2コーラス目

 傷つけあう事って 難しいものさ

 昨日まで 見飽きたはずの君が 他人の顔で振り向いた

 別れの言葉を切り出した彼。でも振り向いた彼女は、見た事もない他人の表情をしていました。

 これはものすごくゾッとする場面だと思います。恐らく彼は「涙で海をうすめないように」と断わる位に「きれいな別れ」を期待していたのでしょう。ところが彼の予想は大きく外れ、泣くどころか、彼女の表情は暗く冷たいものでした。


 煙草すう手が震えて どじだね

 ふいに彼を襲った恐怖心。「こんなはずじゃなかった」と思っているのかもしれません。


 時に背を向け 死なないってさ

 明日は君も微笑(わら)えるよう

 このあたりは、彼女に言ってるように見えて、彼が自分自身に語っている心の言葉なのでしょうか。


 やはり別れには痛みが伴うもの。「きれいな別れ」にはなりにくいものです。



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category: 70年代後半

thread: 歌詞 - janre: 音楽

tag: はーばーらいと  水谷豊  松本隆  井上陽水  薔薇の花びら 
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